写真の力を味方に。“伝わる”インタビューカットの撮り方「メディコス編集講座 第3期」第5回 |ブログ|岐阜市シビックプライドプレイス

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写真の力を味方に。“伝わる”インタビューカットの撮り方
「メディコス編集講座 第3期」第5回

写真の力を味方に。“伝わる”インタビューカットの撮り方<br>「メディコス編集講座 第3期」第5回

第5回は「写真も撮れる編集・ライターになるためのインタビューカットの撮り方」です。
これまでの講座では文章の書き方を学んできましたが、今回は写真について学びました。

 

言葉で伝わりにくい情報を伝える力があり、見る人の理解や心の動きをうながす写真。記事のクオリティアップには欠かせない要素です。

特に今回は“伝わる”インタビューカットということで、受け取り手のニーズに沿った情報を届ける写真の撮り方を学びます。

 

講師は生き方編集者の山中散歩(やまなかさんぽ)さん。編集、執筆、撮影などを通じて「生き方の語りを増やす」ことに取り組んでいます。

山中さんは、良いインタビューカットを撮るには企画を立てるのが重要だといいます。

撮影にのぞむ前に、掲載媒体や届けたい相手を明確にすることはもちろん、どのような撮影カットを撮るかも決めておくのだそう。

インタビューと写真撮影をライターや編集者、カメラマンなど複数人でチームを組んで行うときは、撮影前に、記事で必要となる写真のラフを描いたり、別記事の写真を仮のイメージとした撮影リストをつくったりすることで、事前に写真に求めるイメージをインタビュアーやカメラマンの間で共有しておくのが欠かせないといいます。そうすることで、記事の内容にあった写真を撮影できるようになるとのこと。

そうはいっても、事前に撮影しようと決めておいた場面以外の素材も現場で撮っておくと後々記事の作成時に役立つことがあるので、撮影する写真のバリエーションは、常に広く確保しておくといいというアドバイスもありました。

 

口頭でのレクチャー後は、山中さんの手元のカメラとモニターをつなぎ、撮影を実演しながらのレクチャーです。
できるだけ写真に映り込む情報量を少なくすると、伝えたいことがわかりやすい写真になる。そのために机の上のモノを移動させたり、背後に映る椅子を動かしたり、画角を変えたりなど、写真の主体以外の余分な情報を省いて撮影を行うのがポイントだという説明がありました。

レクチャーの後はグループに分かれ、撮影に向けて企画を立てる実践の時間。
撮影のテーマはメディコスを詳しく知らない人に「メディコスで働く人の魅力を伝え、メディコスのファンになってもらう」こと。各グループごとに、メディコスの職員をインタビュー対象に、どんな撮影を行うか話し合いました。

 

「笑顔の写真は絶対にほしいよね」
「正面入り口の写真を最初のほうに入れてストーリー仕立てにする?」
「撮影イメージのラフを描いていきますね」
「このWEBに載っているインタビュー記事が参考にできるかも」

など、カットのアイデアを出し合いながら、文章やラフ画に企画をまとめ、これからどんな写真を撮るのかグループで共有していきました。

企画を立てた後はいよいよインタビューカット撮影の実践です。

アシスタントの水野淳美さんと片岡麻衣子さん、そしてラーニングアシスタントとして参加する第2期修了生の2人がメディコス職員のインタビュー役を務め、受講生は撮影に集中します。

 

座学で山中さんに教わったとおり、さまざまな角度や距離、表情を写真に収めていく受講生のみなさん。

インタビューの様子を撮るばかりでなく、事前の企画に沿って撮影場所を移動させたり、被写体の方に「仕事をしている様子を見せてください」とポーズをお願いしたりと、積極的に指示を出していきます。そうすることで、窓口で接客する姿や図書館職員が本を整理をする仕草など、表情や状況のバリエーションを豊かに撮影していました。


写真を撮り終わった後は選定の作業。
撮ってきた写真をグループ内で共有しあい、発表に使う写真を選んでいきます。
写真をすべて共有したうえで、どれがメディコス職員の魅力を伝えるのに必要な写真なのか話し合いながら選んだり、各々のベストショットのみを共有して、並べる順番を考えたり、事前に作った企画書に合わせて写真を並べてみたりなど、グループそれぞれの方法で選んでいました。

発表は紙芝居形式で、グループで選んだ10枚の写真を1枚1枚画面に映しながら、インタビューで知ったこともふまえてインタビュイーを紹介していきます。

文章がないにもかかわらず、それぞれのインタビュイーの魅力が生き生きと伝わってきました。

 

山中さんからは

「人以外のカットが所々に挟まれているのが素晴らしい。飽きさせない工夫がされている」
「笑顔が素敵。リラックスしていないと出てこない表情」
「見る人の意識は写真の中心に行くので、見てほしいものを中心に持ってくる。そのために写真をトリミングするのもひとつの手法」
「移動中など、相手が気を抜いているときにいい表情が撮れることがある」

など、感想のほか、さまざまなフィードバックがありました。

 

他にも具体的なアドバイスをもらい、ひとつひとつメモを取る受講生も多くいました。
文章に向き合ってきたこれまでとは異なる講座でしたが、たくさんの学びを得ることができたようです。

次回はいよいよ最終回「ペアでのインタビューワークと学びの棚卸し」。
これまでの学びを活かして受講生同士でインタビューワークを行います。

 

 

メディコス編集講座第3期の概要は以下のリンクからご覧ください。

岐阜を編み、集める「メディコス編集講座 第3期」