2023.10.20
書いて!絞って!磨く!全集中の座学とグループワーク。本文が読まれるか読まれないかは、コピーで決まる?!
「メディコス編集講座 第3期」第4回
今回のテーマは「書く書く書く 〜見出しとタイトルをつけてみよう〜」ということで、ゲスト講師を務めたのは丸原孝紀さん。コピーライターでありながら、編集者やライターとしてNPO法人グリーンズさんと長く関わっていらっしゃる方です。
アシスタントの水野淳美さんの進行により、前半は丸原さんから良いコピーの生み出し方やトレーニング方法などを聞く座学を、後半はタイトルコンテストのグループワークが行われました。
本文と同じように、タイトルも記事にとっては重要な要素。ヒット記事が生まれる最初のとっかかりはタイトルやコピーだったりしますから、講座が始まると否応なしに会場は一気に集中モードに。
いろいろな人のコピーや仕事ぶりを見て、自分なりのやり方を確立されてきた丸原さんは、自身が生み出しているコピーを「センスではなく、技術」と言います。
自分なりの道を探す中で、「書き散らして、選んで、磨く」というトレーニングをとにかく地道に積んできたとのこと。一つのコピータイトルを考えるために裏紙と鉛筆を手に、コピーで使えそうな言葉を書き散らし、その中から取捨選択して、磨いて仕上げる。また、たったひとつのコピーを書くためのアイデアをときに100個も絞り出すためには、普段から新聞を読んだり、人を観察したり、アナログ的な行動でアイデアが凝り固まらないようにされているそうです。
「コピーはそのものの本質をつきながら、原稿や商品に興味を持ってもらう重要な要素です」と、丸原さん。自身のコピーをどのように生み出してきたのか解説いただくことで、受講生はコピーに対する理解を深めていきました。
座学の最後は受講生からの質問時間。次々と手が挙がり、鋭く確信にせまる質問から、受講生の意欲がひしひしと感じられました。
後半のグループワークでは4班に分かれて、丸原さんのトレーニング法を取り入れながら、受講生の作文にタイトルをつけるタイトルコンテストが行われました。
まずは作文から思い浮かぶ言葉をどんどん付箋に書き出していきます。「質より量!」ということで、どんどん言葉が書き出されていきました。
原稿からイメージされる言葉
印象に残った言葉
感じたことや感想
など、さまざまな視点からの言葉が並べられました。
次はたくさん出た言葉から、実際にタイトルに使えそうな見込みのある言葉を絞り込んでいきます。似た言葉をまとめていく班、絞り込みをしながら新たな言葉を加える班、付箋の言葉を組み合わせて組み立てていく班、それぞれのやりかたを模索しながらたっぷり35分間、タイムリミットギリギリまで、考えや意見を出し合いながらタイトルを磨き上げていく姿が印象的でした。
そうして熱がこもった話し合いの結果つくりあげたタイトルを模造紙に書き出し、最後はそれぞれどんなタイトルを考えたのかグループで発表です。
《都会より田舎で育てたい! 地域まるごと学びの場 生きる力を育む学童教室「HARU kids club(ハルキッズクラブ)」》
《たまり、交わり、発信する場 店主の魅力が詰まったホンモノのブックカフェ》
《楽しい おいしい 「いいね」井ノ口 まちの応援団募集中!》
《遊ぶ「街」から暮らせる「町」へ。新しい柳ヶ瀬が、はじまる。》
どれも中身を読みたくなる、特徴あるタイトルに仕上がりましたt。
丸原さんからの講評は
「常識を裏切っている、視点を変える提案をしているのが良いですね」
「キャッチーである」
「この作文でしか出せない魅力を際立たせてみては」
「要約にならないように気をつけましょう」
など、それぞれの良さに加え、もっと磨き上げるためのアドバイスもあり、作文を作成中の受講生にとって、すぐに実践にいかせる学びが盛りだくさんの回となりました。
講座の中で丸原さんは「言葉はどんな場面でも使える。メディアを問わない」とおっしゃっていました。「メディコス編集講座」には、書くことに限らず、さまざまな仕事や境遇の方が集まっていますが、全ての受講生がそれぞれの仕事や活動に取り入れることができる講座だと、改めて実感しました。
次回、第5回は「インタビューカットの撮り方」について。効果的な作文に仕上げるためのアイデアが詰まった回になりそうです。
<取材協力:メディコス編集講座第2期生 文・写真:伊藤曉揮子さん>
メディコス編集講座第3期の概要は以下のリンクからご覧ください。