2023.09.22
1つの記事をみんなでブラッシュアップ!校正の共創
「メディコス編集講座 第3期」第3回
今回の主題は「校正」ということで、受講生が作成した記事を、みんなで校正していきます。
校正を「する側」と「される側」というと、一方的な印象を受けますが、この講座で行うのは、横並びで話し合いながら行う、校正の共創です。
まずは、講師のスズキコウタさんとアシスタントの水野淳美さんが実演してくれました。
記事全体を熟読した上で、Googleドキュメントを使い、1つの記事に対して2人が同時にコメントを打ち込んでいきます。
“語尾が繰り返し「~ます」になっているところは、言い換える工夫があるといい”
“筆者や記事に登場する人物の想いは前半部分にあるといいかも”
どんどんコメントが追加され、すごい早さで原稿が変化していく様が印象的でした。
コメントを打ち込みながら、コウタさんはレクチャーを続けます。
校正のポイントは、“国語的ルール”と“文章としての明快さ”。
国語的ルールとは「誤字脱字や同じ言葉を繰り返しすぎていないか」といった点のチェックであり、「文章としての明快さとは、伝えたいことが分かる原稿になっているか、客観的に書かれているか」などを確認する作業とのこと。
また、グリーンズとして校正をするうえで大切にしていることも話してくれました。
校正の目的は、良い文章をつくることで、書き手を否定したいわけではない。
そのため、校正する際には、記事の良い部分や共感したことなどの感想コメントを必ず入れることにしているそうです。
実演のあとは、ワークショップです。受講生が4つのグループに分かれ、それぞれのグループが同じ記事を題材として校正にチャレンジします。
グループ内で記事を読んで感じたことを話し合い、執筆者の伝えたいことに合う表現や構成を考えました。
校正のワークで取り上げられたのは、古くからまちに根付く銭湯を題材にした記事や、店主のこだわりが詰まった昔ながらのブックカフェを紹介する記事など、受講生が執筆したもの。
「タイトルにインパクトを出すには数字を入れたほうがいいのかな?」
「お店の創業年を書くか、看板娘のおばあちゃんの年齢をいれるのと、どっちがいいだろう」
「どっちもインパクトがあるからタイトルか本文の最初のほうに入れたいな」
「“町”ってみなさんはどう表記しますか?自分はひらがなで“まち”と書くことが多いんですが」
「“街”は大きい都市、“町”は普通、“まち”はやわらかい感じがする」
「ひととのつながりを書いた記事だから、やわらかい表現がいいね」
「“小さいお店”という表現はマイナスイメージだから言い換える言葉はないかな」
「“こじんまりとしたお店”とか?」
「“個人営業のお店”でもイメージは伝わりそう」
など、人によって異なる言葉の印象のすり合わせを丁寧に行い、読みやすい文章にブラッシュアップしていきます。
話し合いが白熱し、ワークショップ終了間際になって慌てて感想コメントを書き込こんでいるグループもありました。
校正後は、グループごとにどんなことを考えながら校正したのかを発表する時間です。
構成の順番にこだわっていたり、タイトルと内容の親和性を考えていたりと、グループによって着眼点に特徴が出ていました。
執筆者に校正を受けた感想を聞いたところ、
「自分とは違う意見を聞けて視野が広がった」
「話し合うことで自分の書きたいことが整理された」
など、初めてのチャレンジングな体験ながらも、肯定的に受け取る声が出ていました。
複数人の校正を受けることで、自分にはない視点を取り入れられたり、書きたいことや伝えたいことが見えたりするなど、受講生たちは共創の力を実感できたのではないでしょうか。
第4回は9月10日(日)。
次回は記事の見出しとタイトルを考えるワークショップです。
***** お ま け *****
実は今回、講座が始まる前に1、2期の修了生から、「ぎふここん」(ZINE※)が完成したお知らせがありました。
ぎふここんとは?
「ぎふここん」は、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」主催の「メディコス編集講座」の修了生が編集メンバーとなって発行する市民制作ZINEです。さまざまなかたちで岐阜市にゆかりのある編集メンバーが、岐阜で楽しく、豊かに生活する「今」の様子をぎゅっと詰め合わせて、皆さんへお届けします。
(※ZINEとは個人やグループが自由な手法、テーマで制作した冊子のこと。定まったルールは無くユニークな編集や製本も多い)
編集講座で繋いだ縁から完成したZINEは、メディコスやその他市内の喫茶店などで手に取ることができます。
3期生も全6回の講座を受講した後、彼・彼女らの活動に合流してくれると嬉しいです。
メディコス編集講座第3期の概要は以下リンクからご覧ください。