「涼やかに、岐阜で」
岐阜で水と暮らすひとたちの“そのまま”を綴ったZINE
ぎふメディアコスモスに現れた、ひときわ目立つ小冊子。その名も「ぎふここん」。
ジグザグになった特徴的な折りの冊子をそっと開くと、そこには鵜飼、ニッキ寒天、かき氷、滝、水琴窟など、長良川や金華山と共に暮らすひとたちから届いた「涼やかな岐阜」を綴った言葉がちりばめられています。
いつもの風景、いつものまちなみ、いつもの味。
意識しなければ何気なく通り過ぎてしまう事柄も、見方を変えるといろんな発見に溢れています。
岐阜に暮らす身近な書き手の体験記や俳句を眺めていると、自分の生活にもちょっぴりアクセントをつけたい気分に!
実はこの冊子は、みんなの森 ぎふメディアコスモスが主催する「メディコス編集講座」の修了生が編集メンバーとなって発行する、市民制作ZINE(ジン※)なのです。
ZINEという形態にこだわりは無かったものの、「講座で得たスキルを活かしたい」、「共に学んだメンバーと一緒に何かをつくりたい」というそれぞれの想いを原動力に、オンラインやリアルでの集まりを毎月重ね、ようやく手に取れるモノとして完成しました。
(※ZINEとは個人やグループが自由な手法、テーマで制作した冊子のこと。定まったルールはなくユニークな編集や製本も多くあります。)
メンバーの共通点はメディコス編集講座ですが、日常生活ではなかなか関わりの無いバックグラウンドを持ったひとたちの集まりです。得意なことが違うので、お店を紹介する、レシピを考える、俳句を詠む、写真を撮る、全体の進捗を管理するなど、いろんな関わり方ができるんです。ZINEの校正時には、ほかの人の文章を直した経験がほとんど無いひとも、率直にコメントをすることで、ライターへの新たな気づきにつながりました。
情報共有には講座で使い方を覚えたチャットツールを活用したり、オンラインで編集会議を開いたり。リアルな場所に捉われない活動も特徴的です。でも、完成品は“手に取れるモノ”というギャップもあって、本質的にはリアルでのつながりを求めているのかな、なんて気もします。
折り方が特徴的なので、印刷する時はみんなで集まって一枚ずつ手作業で丁寧に折りあげました。
この先も、継続的にZINEを作りたいと話す編集メンバーたち。
ZINEを一緒につくるというきっかけから、何か活動したいけれど具体的な行動に繋がらなかったひとが一歩を踏み出したり、個人の想いをほかのメンバーに表現することで新たな気づきや関係性が生まれているのではないでしょうか。
メディコス以外にも、ぎふ木遊館や市内のギフトショップ、カフェなど、置いてもらえる場所をメンバーが順次開拓中。
それぞれの想いが集まったZINEが、ひとりでも多くの手に渡ってほしいです。
ぜひ皆さんも実物を手にとって、開くワクワク感から味わってみてください!
文章:ぎふメディアコスモス事業課
写真・校正:ぎふ古今編集部(いとうあきこ/おくむら裕美/さっちゃん/後藤麻衣子)