第4回のテーマは「写真」ということで、撮影もできる編集・ライターの山中康司さんがゲスト講師として登場。メイン講師のスズキコウタさんはサポート役に徹します。

仕事の悩み以外にも家族、パートナーシップといった広い意味での生き方を編集する山中さん。「生き方編集者」を肩書に、編集、執筆、撮影などを通じて「生き方の語りを増やす」ことに取り組んでいます。
写真を学んだことで編集・ライターの仕事の幅が広がったという山中さんから、インタビューカットの撮り方を学びました。

山中さんは、今回のゴールを「“伝わる”インタビューカットが撮れるようになっていること」と設定。
“伝わる”とは受け手のニーズに沿って情報を届けることを意味し、「受け手が何を知りたいかきちんと把握したうえで届ける」ことが撮影における重要な視点とのこと。
写真の撮り方といっても様々ですが、カメラの設定方法などではなく、撮影に向かう上での考え方をメインにレクチャーが進みました。

レクチャーに続き、５つの班に分かれて撮影の企画を立てます。
取材相手の情報だけでなく、「インタビューを届けたい先はどんな人か」「その人にどう思ってもらいたいか」という目的を文章化し、必要なカットをイメージしてワークシートにまとめる作業。この事前準備が写真の出来栄えを大きく左右するそうです。

企画を練ったらいよいよ取材先へ出発！
岐阜町や柳ケ瀬商店街などで活躍する人々にご協力いただき、それぞれの活動拠点でインタビューと写真撮影を行うフィールドワークです。

受講生は順番に聞き手と撮影者をこなしながら、目的に合わせた最適な場所やアングルを見極めるため必死に現場を観察します。座る位置や背景、光の当たり方などの違いで、ひとつの空間でも撮影ポイントは無数に存在するんですね。
とにかくバリエーション豊かに撮ることも大切で、人物だけでなく、着ている服や部屋の一部などその人の活動や生活が見える部分を写真に収めることで、文章では伝えきれない情報が加わるとのことでした。

取材後はメディコスに戻って写真を選び、写真を紙芝居に見立てた発表へと進みます。
「話を聞くことと、写真を撮ることを同時に行うのが難しい」「ポーズをとってもらうのも大変」という声もありましたが、現場の張り紙や飾ってある写真、手の接写など、受講生が細部までアンテナを張った写真が並びました。
意図をもって撮影することで、普段は見落としがちな風景や仕草にも気づき、相手の内面に迫ることができるんですね。

山中さんから「配慮はしても遠慮はするな」とのアドバイスも。ひと声かけて取材相手へもう一歩近づく。他にも話している時と撮影の時の距離感を使い分けるといった所作で、写真の迫力とクオリティはグッと上がるとのこと。

今回の講座では、取材相手とのコミュニケーションがインタビューカットの要だと感じました。
対面する前のリサーチから始まり、仕草や生活環境の細やかな観察を経て、聞き取った言葉から想いをすくい取る。そして、その過程を多様なバリエーションで切り取っていく。
そんなコミュニケーションを丁寧に重ねた写真からは、撮影者と取材相手との関係性が浮かび上がってくるようでした。

さて、講座は残り2回と終盤に差し掛かりますが、まだまだ学びたいことだらけ。
次回の第5回は2月4日（土）。見出しとタイトルについて、プロのコピーライターから学びます。

＜取材協力＞メディコス編集講座1期生　写真：おくむら裕美さん

 

メディコス編集講座第2期の概要は以下リンクからご覧ください。
岐阜を編み、岐阜を集める「メディコス編集講座　第2期」

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