街の歴史を知ろうともせず、街を語るなんて。 |ブログ|岐阜市シビックプライドプレイス

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街の歴史を知ろうともせず、街を語るなんて。

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歴史が苦手だった。数学や国語は得意なのに、歴史が苦手なのはなぜかと考えた時、一つ目の理由は「暗記」だ。私は覚えるのが苦手だ。昨日食べた夕食も、好きな映画のタイトルも、初恋の人の顔もいつの間にか忘れてしまう。

歴史が苦手であるもう一つの理由が「過去に興味がわかない」ことだ。常に「今ここ」に興味がある。過去にはもう戻らないし、考えても仕方がないと感じていた。元々忘れっぽいのに、興味がないとさらに覚えられない。歴史はいつも私の人生に必要がなく、脳の片隅にすらいない、自分とはあまり関係がないものだと思っていた。

今年、メディコス編集講座に参加した。シビックプライドとは?街を知るとは?を考えると「街の歴史」に対峙することになると知った。街を考える時、街の歴史がどこかで必ず紐づいてくると気づいた。

1567年に織田信長が岐阜城を作り、1601年に徳川家康によって廃城となったとか、1920年頃に柳ヶ瀬をうろつく「やなブラ族」という言葉が生まれたとか、1960年頃の岐阜公園には小動物園がありペンギンがいたとか、興味がある人には楽しい歴史でも、私にとっては心躍る情報ではない。正直なところ、歴史関連の話題が出るたびに頭を抱えていたのである。めんどくさい、できれば一切考えたくない。筆も全く進まない。

そのように歴史のことを聞いたり考えたりするだけで頭痛になる私は、街について伝えることはできないのか。否、それはないと信じたい。歴史を知ることが今に繋がるから大切なこととは理解している。街のアイデンティティが歴史的文脈から形成されるのもわかる。その上で、私は私なりの視点で街を捉えれば良いのでは?と、半ば開き直りつつも、独自のスタイルで進もうと今は思う。

何より、「伝える」ということで最も大切なことは、自分が楽しいこと、好きなことを深め、自分なりに表現することである。思いが深ければ深いほどたくさんの人に良さを感じてもらえる。逆に興味がないことを、情報だけ並べても伝わらない。私は私なりに、自分自身が熱狂できるものを伝えていきたい。

おにぎりが美味しいティダティダさんはお母さんみたいにあったかい人だとか、コーヒーが苦手だったのに喫茶店をやっている星時さんの喫茶めぐりの話とか、そんな街の人の魅力を伝えていきたいと思う。歴史はわからないし考えると頭痛になるけど、街の魅力を自分の視点で楽しむこと、それが私のシビックプライドと信じて。

<書き手>メディコス編集講座 第1期生 オゼキカナコ

 

メディコス編集講座とは、岐阜市の魅力的な情報を集め・発信する担い手育成を目的として岐阜市が開催している講座であり、第1期となる令和3年度には23名が修了し、市民ライターとして活動しています。