No.17
文化のある暮らしの提案
福富 梢さん
文化屋店主
柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社事務局
1999年 岐阜市生まれ
加納高校美術科を卒業後、静岡文化芸術大学在学中に「文化に関わる全ての人々のための何でも屋」として岐阜の地で「文化屋」を起業。柳ヶ瀬のマルシェイベントにおける若手アーティスト作品の販売などをきっかけに「柳ヶ瀬を楽しいまちにする株式会社」におけるまちづくり活動の一翼も担う。また、自身が高校時代から続けている演劇のスクールも開催するなど「文化のある暮らしの提案」をコンセプトに、岐阜のまちの人々が生活の中に文化の彩りを添えるきっかけとなるような場所を提供している。
-
-
現在のあなたの活動について教えてください
-
― 文化屋を起業したきっかけやこれまでの活動について教えてください。
加納高校の美術科や静岡文化芸術大学でアートを学び、また高校時代に部活の全国大会に出るくらい演劇に打ち込んだことを活かして、美術や演劇に関わる仕事をしたいと考えました。そうして文化屋を起業した当初は、若手アーティスト作品の委託販売をメインに活動していましたが、その手段として柳ヶ瀬のサンデービルヂングマーケットに出店したことを契機に、柳ヶ瀬のまち会社の一員として商店街でのイベント運営にも携わるようになりました。最近では仲間とともに初めての人でも参加できる演劇スクールを開催するなど演劇の活動にも力を入れています。
― なぜ活動の場所として岐阜のまちを選んだのですか。
自分にとって岐阜のまちのこの場所で誰とこんなことをしたという体験がまちへの思い入れや愛着となっていて、それを原動力に柳ヶ瀬やメディアコスモスなど自分の生活範囲内で何かやりたいと思うようになりました。演劇の練習をするのはいつもメディコスの広場だし、公演も立派な劇場やホールではなくて、普段は演劇を見ない人でも来れる商店街のオープンスペースなどでやることにこだわっています。
― 岐阜のまちに文化を広めるために必要なことは何でしょうか。
その選択肢があることが一番大切だと思います。もともと演劇を見たり、美術作品を描いたり買ったりする選択肢がなかった人でもそれができる“きっかけ”を作っていきたいんです。例えば演劇は、自分にとってみんなと一緒に何か面白いことをするときの媒体「共通言語」として成立しているけれど、人とつながる手段はそれだけではないので、押し付けではなく、あくまでも1つの選択肢として、こんな楽しみ方もあるよとまちの人に提案ができたらいいなと思っています。
-
これからの野望(目標)について教えてください
演劇や美術品を見たりするのをもっと簡単にできるようにしたい。敷居の高いところに補助の階段を付けるように。演劇のスクールもフットサルや草野球みたいに軽い気持ちで遊んでみようと思えるようにしたいし、今後まち会社の活動と連動させるなら、ここの店のこの料理が美味しい、この人が面白いというように、演劇や美術を商店街に遊びにきてもらえるきっかけにしたいですね。できるならメディコスの広場で開かれるマルシェで、気軽に見て参加できる演劇もやってみたいです。
-
あなたの考えるシビックプライドとは?
自分にとって、このまちの暮らしの中で蓄積されてきた様々なエピソードこそがシビックプライドだと思います。実は高校時代に演劇で全国大会にいったときの作品も、部活の友達と一緒に岐阜シティ・タワー43から長良川の花火大会を見るという、岐阜のまちでの実際のエピソードを入れたものでした。それらが自分にとっては、ここにいたい理由になっているし、このまちで頑張る原動力になっています。岐阜のまちには何もないという人もいますが、自分自身が持つフィルターの解像度を高めればきっとこのまちの大切なものが見えてくると思います。
-
コメント