トークイベント みんなのひとりと 「岐阜で楽しく生きる術」 |イベント|シビックプライドプレイス

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トークイベント みんなのひとりと 「岐阜で楽しく生きる術」

2024年2月16日(金)
18:30-20:30

岐阜で楽しく豊かに生きるためのトークイベント「みんなのひとりと」。
「みんなの森 ぎふメディアコスモス」とつながる「みんな」の中から、さまざまな分野で活躍するゲストをお迎えするテーマトークイベントです。
みなさん、その話、ぜひメディコスでも聞かせてもらえませんか?

第4回のテーマは「岐阜で楽しく生きる術」。岐阜をこよなく愛し、まちの歴史も今も未来も同時に思考しながらトライ&エラーを重ねてきたお二人と、メディコス、そして岐阜のこれからについて存分に語り合う、本講座の総集編です!

ゲスト:蒲 勇介氏(NPO法人ORGAN理事長)
    田代 達生氏(カンダまちおこし株式会社代表取締役社長)

参加のお申し込みは下記リンクから
(申込受付開始日時:1月16日(火)9時)

申込フォーム

 

開催概要EVENT INFORMATION

トークイベント みんなのひとりと 「岐阜で楽しく生きる術」

開催日時
2024年2月16日(金)
18:30-20:30
場所
ぎふメディアコスモス2階(岐阜市司町40-5)
シビックプライドライブラリー(南東スペース)
参加費
無料
定員
先着30名
申込方法
上記申込フォームより必要事項を入力
主催
岐阜市、みんなの森 ぎふメディアコスモス自主事業実行委員会
その他
イベントは図書館閉館後まで続きます。

掲載日:2024.01.16

レポートEVENT REPORT

「岐阜で楽しく生きる術」
~岐阜の可能性と魅力の創出~

 連続トークイベント「みんなのひとりと」。総集編として今回ゲストにお招きしたのは、岐阜をこよなく愛する、NPO法人ORGAN理事長の蒲勇介さんとカンダまちおこし株式会社代表取締役社長の田代達生さんのお2人です。
 生まれ育った岐阜で“楽しく豊かに生きる”ことを仕事とプライベートにおいて実践されているお2人。今回は、吉成信夫ぎふメディアコスモス総合プロデューサーとともに、岐阜の過去、現在、未来について語り合いました。

 まず田代さんからは、地域経済という観点から柳ケ瀬というまちを見たときどのように見えるのかについてお話しいただきました。日々のまちづくり活動の中で「どうにかまちを活性化してくれ」「なぜ衰退していくのだ」という声をよくいただくそうですが、そもそもこの“なぜ柳ケ瀬というまちが衰退してしまったのか”という問い自体が違うのではないかと田代さんは感じているそうです。というのも、わずか40万しかいない人口の中で、なぜ柳ケ瀬というまちがここまで大きな商店街として形成されたのか?なぜここまで莫大な投資ができたのか?このように角度を変えてまちを見ると、また別の柳ケ瀬の姿が見えてくるそうです。当時の柳ケ瀬は、多毛作のような昼夜連続稼働や莫大な商圏人口、選択肢の少ないエンタメから“みんなが同じはしごを登る時代に最適化した域外からのマネー獲得装置”を形成していたそうです。
 岐阜には何もないという方はたくさんいらっしゃいますが、視点を変えればまちが違って見えてくること、この視点の転換を味わってもらいたいと語られました。

 続いて、蒲さんからは仕事と遊びの20年として、長年取り組まれてきた長良川流域の文化に関する活動と課題、そしてその活動の中での蒲さん自身の岐阜に対する気持ちの変化についてお話しいただきました。
 「岐阜なんて何もない」という若者が多くいる中で、岐阜を肯定したかった蒲さんは、NPO法人G-netや岐阜町若旦那会といった人や水うちわや岐阜和傘といった文化などさまざまな出逢いの中で、岐阜市にはこんなにも素晴らしいものや文化があるという可能性を感じたと同時に、そうした素晴らしさを感じる岐阜市の文化の担い手の大半が困っていることにも気づいたそうです。蒲さんは、この誇るべき岐阜市の文化を残していくためには、魅力を発信して価値を高めることにあわせて、課題を自分事化して応援してくれる仲間を増やすことが糸口になるかもしれないと感じたそう。
 20年の活動を通して、圧倒的に岐阜を楽しませる自信が出てきたという蒲さん。最近やっとやりたいことや解決したい地域課題だけでなく、お客さんから教えてもらう岐阜の唯一無二の魅力にも目を向けられるようになってきたこと。そして、それが岐阜の活路になると感じていることなど、そんな気持ちの変化も語られました。

 蒲さんからお話を伺ったあとは、吉成プロデューサーより、これまでのメディコスの9年間の歩みについて紹介しました。
 普通の図書館を作るつもりはなかったと語る吉成プロデューサー。メディコスに集まる本や人、情報をどのように紡ぎ直していくのか、そしてそこから小さなコミュニティを生み出すアクションにつなげていけるのか。そこには図書館という存在があってほしいという想いを根底に、子ども司書や子どもラジオ、メディコス編集講座、季刊紙「メディコス文化道」の発行などさまざまな取り組みに注力してきました。そうした開館からの9年間の歩みを踏まえながら、人の心に宿るシビックプライドは1つではなく、人それぞれ、その人なりのまちへの想いがあって、それを規定しないで緩やかにみんなで認め合ってつないでいくことが、岐阜の力になるのではないかと吉成プロデューサーは語りました。

 それぞれのお話を聞いた後は鼎談へ。メディコスと岐阜のまちの約10年間を振り返りました。
 田代さんと蒲さんの活動拠点でもある柳ケ瀬と川原町。田代さんいわく、川原町のような美しく整ったまちと柳ケ瀬のような何でもありの大衆的で猥雑さもあるまちはセットだからこその良さがあるとのこと。というのも美しい整った場所ばかりだと息苦しいからガス抜きのような場所も必要で、その関係性ができているのだそう。そのお話を聞いて、参加者からは「A面とB面ありの岐阜の明と暗のセットに納得した」、「まさに光の都市と闇の都市ですね!」といった声も寄せられました。

 その後、話は、岐阜市のまちの特性にも展開していきます。蒲さんは、長年の活動の中で感じることとして、岐阜市は、計画的に文化を守っていこうという合意や、みんなでお金を出し合って文化を育もうというまちではなくて、もともと計画にないことを繰り返してきたまちなのではないかと推察。それについて、吉成プロデューサーからも、岐阜の県民性に絡めながら、メディコスでの9年間を通して、いい意味で岐阜の人はミーハーで、なんでも使いこなせるところがあって、それは見えない文化的な力だと思っていると語られました。
 そして、岐阜市は、大規模な観光事業ではなく、岐阜に何かしら関わっている人がつないでいくコーディネートや、生活の中にある観光的なものが重なり合うことで、実はもっと魅力が見えてくるのでは?といったお話にも。

 さまざまなテーマでトークが飛び交う中、最後に、「これからのメディコスに期待することはなにか」という問いが吉成プロデューサーより2人に投げかけられます。
 蒲さんからは「何かやりたい、達成したいという市民のチャレンジの起点となり、小さな経営の伴走をするような存在としてメディアコスモスがあってほしい」と。そして、田代さんからは、「自分の世界を変えたり大きな影響を与えるような学び直し、或いはテーマの探究といった機会を与える場所であり続けてほしい」と語られ、和やかな雰囲気の中でトークが締めくくられました。
 満員御礼となった今回のトークイベント。「いろいろな視点から見ることで、岐阜の可能性を感じることができた」、「今が私の岐阜の学び直しです」といった参加者の声もありました。 
 2022年からメディコスを会場に連続で開催してきたトークイベント「みんなのひとりと」。これまで8回にわたって、教育やアート、まちづくりといったさまざまな分野で活躍するゲストをお招きしてトークを繰り広げてきました。今回はその総集編でしたが、岐阜をこよなく愛し、楽しんでいる田代さんと蒲さんのお2人の話から“岐阜で楽しく豊かに生きる”ヒントを見つけることができたのではないでしょうか。

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