トークイベント「ローカルメディアが伝えるまちの魅力」 |イベント|シビックプライドプレイス

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トークイベント「ローカルメディアが伝えるまちの魅力」

2023年11月3日(金・祝)
13:00-15:00

その時代を生きるひと、まちの姿を生き生きと伝えるローカルメディア。
昭和から令和へ、カタチは変わっても変わらない編集者たちの「伝えたい」という想い。
ローカルメディアから私たちのふるさと「岐阜」の奥深さを見つめ直してみませんか。

【出演(ゲスト)】
三田村 圭造さん
滋賀県米原市出身。1976年から2年半、カナダや米国などの日系人向け新聞「大陸時報」で記者を務める。帰国後は東京での出版社専属ライターを経て、タウン誌やフリーペーパーの道へ。45年の経歴のうち、40年間を岐阜や滋賀で地域誌作りに力を注ぎ、「月刊ぎふ」や「岐阜人」などの多くの地域誌を担当。60代半ばで故郷の伊吹山の麓で地域誌「ふもと」を創刊し、現在に至るまで発刊を続けている。

古井 千景さん
1996年生まれ。岐阜県中津川市出身、在住。名古屋市立大学人文社会学部現代社会学科卒業。大学在学中に国際協力機関や中小・ベンチャー企業でのインターンシップ、NPO・学生団体等に参画。大学卒業後はフリーランスとして、東海地方で地域や社会に根付いた起業家・コミュニティの育成をおこなっている。恵那山麓ローカルメディアおヘマガ2代目編集長。東海若手起業塾事務局長。

参加申し込みは下のリンクから
申込フォーム

開催概要EVENT INFORMATION

トークイベント「ローカルメディアが伝えるまちの魅力」

開催日時
2023年11月3日(金・祝)
13:00-15:00
場所
みんなの森 ぎふメディアコスモス
ドキドキテラス
参加費
無料
定員
100人(先着順)
申込方法
上記申込フォームまたはぎふメディアコスモス1階総合案内にてお申込みください。10月7日から受付開始
主催
岐阜市
みんなの森 ぎふメディアコスモス自主事業実行委員会
その他
詳細は別紙チラシ(フライヤーPDF)をご覧ください。

掲載日:2023.09.27

レポートEVENT REPORT

「伝える」「つなげる」ローカルメディアの持つ力


11月3日、秋深まる文化の日。メディアコスモスでは、毎年恒例となった「秋のゆったりカルチャーマルシェ」を開催し、飲食・雑貨の販売や音楽ステージ、おはなし会、子どもたちの工作コーナーなどなど…広場も館内も大変多くの人で賑わいました。

そうした中、ドキドキテラスでは、昭和から平成にかけて数多くの岐阜のタウン誌の編集を手掛けてきた三田村圭造さんと東濃地域の魅力をWebマガジンの編集を通じて伝える古井千景さんをゲストにお招きし、吉成信夫ぎふメディアコスモス総合プロデューサーと共に「ローカルメディア」をテーマに語り合いました。

まず第1部のゲスト講演では、三田村さんが「わが愛しのタウン誌たち」と題し、1970年代から現代に続く岐阜のタウン誌の変遷を紹介してくださいました。

約40年にわたり、タウン誌の編集に携わってきた三田村さん。自身が編集長を務めたタウン誌「月刊ぎふ」や「岐阜人」の取材において、当時の岐阜の文化の基礎を作ったといわれる詩人や作家、画家・写真家、商店主など、驚くほど多くの方々との交流を重ねたことに触れながら、「岐阜の人やまちが大好きになった」と語りました。

「編集者はあまり表に出ないで黒衣(くろご)であるべき」と言い切る三田村さんにとって、タウン誌づくりとは、さまざまな分野で活躍する人に誌面という舞台で思いっきり踊りを踊っていただき、それを多くの人に伝えていく仕事。これまでさまざまな分野の人と出会い、つながり、支えられながらタウン誌をつくってこられたことが自分にとって何よりの財産だとおっしゃいました。

続いて登壇したのは、恵那山麓のローカルメディア「おヘマガ」の編集長 古井千景さんです。おヘマガの編集・情報発信を通して大切にしていることを聴かせてくださいました。

もともと自分が育った地元東濃エリアを「何もない田舎」と、ネガティブに考えていたという古井さん。でも県外の大学に通いながら、地元や近隣エリアでさまざまな人と出会う中で、自分が地元の面白さや面白い生き方を「知らなかっただけ」あるいは「まだそれがここにないだけ」と考えるようになり、「ないだけなら作っていこう」「知らないだけならローカルメディアで伝えていこう」とおヘマガの編集に携わるそうになったそうです。

だからこそ、古井さんが目指すのは「伝える先に何があるか」ということ。ただ地域のお店や文化を紹介するだけではなく、恵那山麓に根付く、ここにしかないものを伝え、実際にそれを面白がり、担う人を増やしたい。「人を動かすのは人」、そう語る古井さんが、おヘマガの記事の1つとして紹介した、岩村にある酒蔵の日本酒の話は「多くの人に味わってほしい」という書き手自身の愛と熱量が満ち溢れたものでした。

その後、吉成プロデューサーよりメディコスの情報編集と発信、その担い手づくりに関する取り組みについても紹介がなされ、トークイベントは第2部の鼎談へ。

世代や情報発信の媒体は違っていても、メディアを通して何を伝え、どういった人のつながりを大切にするかという点において、三田村さんと古井さんの価値観には近いものを感じると話す吉成プロデューサー。

三田村さんは、「月刊ぎふ」を編集していた当時、タウン誌でまちを元気にしたい、一緒にまちをつくっていきたいという想いを商店街の店主や地元の文化人たちと共有できていたと語ります。特に、柳ケ瀬商店街に暮らす方々は、自分たちのまちにプライドを持ち、それを紹介するタウン誌の発行も応援してくださったと振り返りました。そうした編集者とまちの人々との幸せな関係性があったからこそ、タウン誌を通して、さまざまな岐阜の地域文化が紹介され、それが今に伝わっていることを痛感します。

また古井さんからは、地元だからこそ顔の見える信頼関係を築くことができ、そこで面白い人と出会い続けられるので、ローカルメディアの編集をしていて満足することがないという話も。

そして、そんな面白い人や生き方を伝え続けることで、目の前で起きていることが「この人がやっていること」から「自分のまちでやっていること」、つまり「自分事」になってくるといいます。メディコスが模索する「シビックプライド」とも通ずるこうした話の中で、古井さんは地元の恵那山麓の地域特性を「アワーシビックプライド(Our Civic Pride)」、つまり「私たち」として捉えられるエリアでもあると語りました。

吉成プロデューサーからも「私と誰かのつながり、関係性が見えると、その人に会ったことがなくても地域における自分なりの地図ができる。それができるのがローカルメディアの力では」との発言があり、「伝える」だけではなく「つなげる」メディアの大切さを感じました。

時代が移り、カタチが変わっても、そのまちに生きる人々の姿を伝え、その想いをつなげ続けるローカルメディア。三田村さん、古井さんのお話を通して、あらためて、その豊かさ、奥深さを見つめ直すトークイベントとなりました。

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