第18夜「薔薇之壹株昆蟲世界 ~明治に花開く昆虫印刷文化!?~」 |イベント|シビックプライドプレイス

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第18夜「薔薇之壹株昆蟲世界 ~明治に花開く昆虫印刷文化!?~」

2018年1月17日(水)

おとなの夜学は、
「岐阜にいるのに知らなかった岐阜を知る」をコンセプトにした、おとなのための学びの時間。
毎回、岐阜の地域文化に精通した“その道の第一人者”によるお話が繰り広げられます。

ゲスト

名和 哲夫(名和昆虫博物館5代目館長)
河野 俊一郎(西濃印刷株式会社代表取締役社長)

開催概要EVENT INFORMATION

第18夜「薔薇之壹株昆蟲世界 ~明治に花開く昆虫印刷文化!?~」

開催日時
2018年1月17日(水)
場所
みんなの森 ぎふメディアコスモス
主催
岐阜市立図書館

掲載日:2021.02.15

レポートEVENT REPORT

20180117おとなの夜学の様子所蔵標本1万2000種という、世界にも類のない民間昆虫博物館『名和昆虫博物館』を設立した明治の偉人、名和靖。
郡上でギフチョウを発見したことで知られ、
全国を巡って農作物の害虫駆除にも力を注いだ方です。
また、昆虫好きのおじいさんを表す「昆虫翁」と呼ばれ、
その昆虫への愛は、駆除した害虫を供養する碑を建てるほど深いものだったそうです。

靖の研究は一株の薔薇からはじまりました。
1輪の薔薇に害虫のアリマキと益虫のテントウムシがとまる姿を目にした靖は、
1輪の薔薇からなんと広い世界が見えることだろうと感銘を受けたそうです。
今回のテーマである『薔薇之壹株昆虫世界』とは、靖の著した害虫駆除についての解説書です。
この解説書の最大の特徴は、その美しさ。
色とりどりの虫の生態が詳細に描かれた、大変美しい芸術品のような本なのです。
女性や子どもでもわかるようにと当時は珍しかったルビ付きの書体に色とりどりのイラストとともに描かれました。
そしてこの解説書の印刷を請け負っていたのが、西濃印刷株式会社です。
鮮やかな虫の絵の詳細を表すために色の違う版をいくつも重ねて印刷するのは大変難しい作業で、
名和さんの注文にこたえることは本当に大変だったと当時の苦労を河野さんは語ってくださいました。
「害虫駆除」という農民・庶民の等身大の悩みに向き合い、
寄り添った名和靖の思いも、全国でも突出した岐阜の印刷技術なしには、世間に伝わらなかったかもしれません。

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