第44夜「 岐阜復興期の新聞・出版群像 ―メディアでたどる戦後岐阜―」 |イベント|シビックプライドプレイス

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第44夜「 岐阜復興期の新聞・出版群像 ―メディアでたどる戦後岐阜―」

2022年10月19日(水)19:00~20:30

インターネットを通して雑多な情報が流通する現在。地域のメディアが担うべき役割とは何か。

戦前戦後に発行された新聞、雑誌を渉猟すると驚くほどに多様な情報がこの岐阜の地から発信されていたことがわかります。

占領軍資料・プランげ文庫には、戦後岐阜に147もの新聞と85もの雑誌の記録が!

さらに読み解けば当時を生きた熱い出版人・新聞人の姿が見えてきます。

岐阜新聞の論説委員長も務めた出版のプロと、今もなお東海民報の発行を続ける新聞人とともに、戦後岐阜を辿ります。

 

ゲスト:林 幸雄さん(東海民報 編集・発行人)
   山本 耕さん(株式会社 岐阜放送 代表取締役社長)

おとなの夜学Webサイト

 

開催概要EVENT INFORMATION

第44夜「 岐阜復興期の新聞・出版群像 ―メディアでたどる戦後岐阜―」

開催日時
2022年10月19日(水)19:00~20:30
場所
岐阜市立中央図書館 シビックプライドライブラリー
(岐阜市司町40-5 みんなの森 ぎふメディアコスモス2階)
参加費
無料
定員
会場20名/Zoom視聴500名
申込方法
9月19日(月・祝)より受付開始。
おとなの夜学特設サイト:https://otonanoyagaku.net/または、中央図書館の窓口・電話にて受付 
主催
岐阜市立図書館
その他
<参加資格> 中学生以上。お子様連れはご遠慮ください。
<会場について> 新型コロナウイルス感染拡大予防の為、会場の定員を20名にさせていただきます。
<オンライン視聴について>
※PC・スマホ・タブレットなどを使用し、ご自宅などで視聴していただきます。
※テレビ会議システムZoomを用いたオンライン配信を行います。当日オンライン配信URLをメールでお送りします。
※通知メールが不着だった場合、ご視聴頂けない場合がございますので必ず有効かつご確認可能なメールアドレスをお知らせください。
※Zoom視聴環境のない方はご参加できません。またZoom視聴環境に関するお問い合わせにもお応えできませんので、ご了承ください。

掲載日:2022.09.04

レポートEVENT REPORT

過去に埋もれた地域の声を拾う

 知らなかった岐阜を知る「みんなの図書館 おとなの夜学」。第8期2回目を令和4年10月19日シビックプライドライブラリーで開催しました。
 戦後の岐阜を生きた知られざる出版人たちを紹介されるのは岐阜放送の社長である山本さんと、「東海民報」の林さん。敗戦後、人々の日本を変えたいという政治への熱はそのまま出版活動への意欲につながり、多くの新聞・雑誌が生まれました。 
おとなの夜学第44夜写真
 山本さんは岐阜復興期の出版状況についてプランゲ文庫(*1)などを参考に調べられていますが、興味を持った入り口はカストリ雑誌(*2)でした。岐阜で有名だったのは戦後の柳ヶ瀬にあった石神書店です。石神書店ではすぐ儲かるからと性を売り物にした単行本や雑誌を発行する一方で、青年向けの健全な新聞も発行していました。
 玉石混交の出版物があふれる時代において、岐阜のジャーナリズムは今よりも活発的で大きな流れを築いていました。

 当時、乱立していた新聞や発行物の中で今日もなお岐阜で健在なのがローカルメディア「東海民報」です。発行人である林さんは先代編集者だった父親が「立派なことを言っても続かないと意味がない」と経営面もおろそかにせずに新聞を続けていく姿に感銘を受け、跡を継ぎました。岐阜や柳ヶ瀬の様子など、私たちに馴染みのある話題と関連付けながら当時の出版世相を語られました。
 個人が自由に情報を発信できる現代の状況に触れながら、ジャーナリズムや地方のメディアが担うべき役割について林さんは問題提起をしており、考えを深めるきっかけの時間となりました。

注釈
*1 プランゲ文庫 国立国会図書館が1948年にできるまで、戦後の日本で発行された出版物を集めていた歴史学者ゴードン博士によるコレクション。原本はアメリカにありますが、国立国会図書館のデジタルアーカイブから見ることができます。保管されている岐阜の新聞は147紙、雑誌は85冊に渡ります。

*2 カストリ雑誌 戦後4、5年にわたって流行った大衆娯楽雑誌。扱う内容は性的なもの、グロテスクなもの、怪奇的なものなど多岐にわたり、度々摘発されました。内容が粗悪なことから3号以上続かない雑誌を意味していて、当時流行した3合も飲めば潰れるカストリ焼酎とかけているとされます。

 

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