ペンとノートを持って出かけよう。岐阜をもっと好きになる「ぎふいろインク」とともに

岐阜の「色」ってなんだろう。岐阜といえば豊かな川と緑が美しい山。青色や緑色を想像する方も多いと思います。でも、それだけでしょうか。岐阜で暮らすみなさんにはもっと色彩豊かな岐阜の情景が思い浮かぶはず。
今回は私が夢中になっている文具、「万年筆用インク」より、「色」を絡めながら岐阜のことを書きたいと思います。
ロフトやハンズなど雑貨を扱うお店の売り場を覗いてみると、文房具の売り場の広さと取扱うアイテムの多さに驚いた人も多いのではないでしょうか。また、最近は文具女子博や紙博など文房具のイベントもたくさん開催されています。そう、昨今は空前の文房具ブームなんです。
私は昔から文房具が大好きなのですが、最近は特に万年筆とインクの虜になっています。
万年筆用インクは、さまざまなメーカーが展開する色彩から選ぶ楽しみがあるのと、なんといっても筆跡のインクの濃淡の美しさが魅力。
そんな万年筆用インクには実はここ、岐阜をイメージして作られたものがあります。
それが「ぎふいろインクシリーズ」。羽島市にある大同印刷株式会社が発売しています。
岐阜の歴史や伝統文化などの魅力的な情景を鮮やかな色で表現して、インク瓶の中にぎゅっと閉じ込めているそう。
ぎふいろインクシリーズには「信長」「長良川」「鵜飼」「岐阜城」「円空」「竹鼻まつり」といった岐阜、羽島にゆかりがあるものをテーマにしたインクがあります。
たとえば織田信長をイメージした「緋の風雲児」。
「戦国武将「織田信長」。岐阜で天下統一を目指した信長は派手好きで南蛮品を好んだといわれています。そんな信長が緋色のマントを颯爽と織った姿を想像して作りました。」(公式HPより)
やや黄味がかった鮮やかで明るい赤で、一際目を引く色をしています。当時の織田信長の姿はわかりませんが、普段よく目にする、JR岐阜駅前の信長像が纏うマントが目に浮かびます。このマントの色もとっても目を引く赤ですね!
インクの名前に想像力を掻き立てる名前がついていたり、物語があるのも万年筆用インクの魅力。文字を書くのがより楽しくなります。
私も「ぎふいろインクシリーズ」のボトルインクを2本購入してみました。
まずは緑系のインク、岐阜城「深緑の山城」。
豊かな緑に覆われた山と、その山頂にそびえ立つ城の景観を表現したインクです。紙に書いてみると、青みを含んだ生き生きと明るい緑色になりました。
その青緑とインク溜まりでできる濃い緑のコントラストが綺麗で、まるで金華山の木々の色のようです。
続いて、黒系のインク、鵜飼「濡羽の狩下り」。
鵜飼の、篝火の明かりに照らされた鵜の濡れた黒羽をイメージしたインクです。
青みのある濃いグレーで、羽の柔らかさを想像させるような柔らかくて上品な色。グレーから黒のグラデーションも、篝火に映し出される鵜の羽が思い浮かびます。
岐阜市から車で30分、はしま観光交流センター「ぐるっと羽島」のお土産コーナーにて、1瓶2,500円(税込)で販売されています。
ぎふいろインクシリーズの紹介を通じて、定番の岐阜の景色を振り返ってきました。
淡い色なのか濃い色なのか。黄色がかった色なのか、青みがかった色なのか。例えば緑色でも様々な色があり、見慣れた景色も「色」の観点からじっくり眺めると新しい発見があります。
そして、万年筆用インクにも様々な色のインクがあります。あなたのお気に入りの景色の色、岐阜の色を探してみるのも良いかもしれません。
そうした色でその時の思いや気分を書き留めたり、絵を描いたりすると、きっとそれだけで特別な思い出になると思います。
素敵な色のインクを万年筆につめて、ノートを持って、岐阜のまちを歩いてみませんか。
<書き手>メディコス編集講座 第4期生 上田 麻央
メディコス編集講座とは、岐阜市の魅力的な情報を集め・発信する担い手育成を目的として岐阜市が開催している講座であり、令和6年度の第4期までに83名が終了し、市民ライターとして活動しています。