いじめにラリアット! 柳ケ瀬プロレスが届ける「勇気」と「元気」 |ブログ|岐阜市シビックプライドプレイス

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いじめにラリアット! 柳ケ瀬プロレスが届ける「勇気」と「元気」

いじめにラリアット! 柳ケ瀬プロレスが届ける「勇気」と「元気」

筆者とプロレス:幼少期から続く熱い思い

皆さんは「プロレス」と聞いて、どんなことを連想しますか。

「流血」、「怖い」、「反則」、「格闘技」。人それぞれ思い浮かべる事は違うでしょう。

筆者はプロレスファン歴50年以上。幼い頃、テレビに映るジャイアント馬場やアントニオ猪木に熱狂し、休み時間には友達とプロレスごっこで遊ぶ日々を過ごしていました。

青春時代には、金曜夜8時の「タイガーマスク」の試合を家族全員で楽しむのが当たり前。社会人になってからもプロレスへの熱は冷めることなく、スポーツ新聞のプロレス記事や、専門誌を眺めるのが日課となりました。なんと、柳ヶ瀬商店街でプロレスが観戦できると聞いて、筆者は早速、「柳ケ瀬プロレス」を初観戦することに。

熱い戦いの後のノーサイド。爽やかな心地良さを感じます。

「柳ケ瀬商店街でプロレスってどういうこと?」

岐阜市の中心部に位置する柳ケ瀬商店街は、かつて多くの人で賑わいをみせた岐阜の顔でした。しかし、時の流れとともに商店街は活気を失い、高島屋岐阜店が2024年7月末で閉店するというニュースは地域に大きな衝撃を与えましたね。

そんな中、新たな希望の光として注目されているのが、柚原真紀(ゆはら・まき)さん率いる、地域と社会を元気にするエンターテインメント「柳ケ瀬プロレス」。

2017年に旗揚げされた柳ヶ瀬プロレスは、地域密着型のプロレス団体。会場は柳ケ瀬商店街のスポーツバー「M’s cafe」の特設リングで観客が飲食を楽しみながら観戦できるこのユニークな空間は、プロレスの激しさとカフェの落ち着きが絶妙に融合したエンターテインメント体験を提供しています。

実際に観戦して感じたことは、スポーツバー内に設置されたリングの近さ、選手たちの息づかい、そして観客との一体感は、これまでのプロレス観戦とは全く異なるものだと言うこと。特に、最初の試合を「第ゼロ試合」と呼ぶ表現に驚きました。通常「前座」とされる試合も等しくリスペクトし、全ての選手を大切にする姿勢が伝わってきました。リング上での激しい攻防はもちろんのこと、レスラーたちが試合後に観客と気さくに交流する姿には、アットホームな雰囲気が漂い、心が温かくなりました。

左:「FLORENCE YANAGASE」の入り口。商店街は平日のランチ時でも歩く人がまばら
右 :M’s caféの入り口の様子

プロレス×地域活性化:柳ケ瀬プロレスの挑戦

この団体のリーダーでありオーナーである柚原真紀さんは、「柳ケ瀬をプロレスの力で元気にしたい」という情熱を胸に、単なるプロレスの枠を超えて地域に貢献するさまざまなイベントを企画しています。

例えば、2024年11月16日に開催された「第17回いじめ撲滅・元気創造~リスタート~」大会では、「子ども虐待防止オレンジリボン運動」の一環として、長良川競技場内の特設リングでチャリティープロレスを実施しました。大会は試合だけでなく、「ちびっ子プロレス教室」やレスラーとの交流会など、子どもたちが楽しみながら学べるプログラムが盛りだくさん。この活動の背景には、オーナーの真紀さん自身のこれまでの経験が深く関わっています。

「私も小学生の頃にいじめを経験しました。同じ痛みを抱えている子どもたちに、少しでも元気を届けたいと思い、活動を始めたんです。岐阜出身のプロレスヒーロー・故橋本真也選手が示してくれた、『岐阜からでも大きな舞台で輝ける』という希望を受け継ぎ、もっと身近にプロレスを楽しんでもらいたい」と語る真紀さん。その言葉には、痛みを知る者だからこそ抱ける優しさと強い決意が感じられます。

イベントのチラシ:魅力的なイベントが目白押し。よく見るとほぼ毎週開催!!

未来を切り開く一歩を、柳ケ瀬から

柳ケ瀬プロレスは、岐阜の未来に新たな希望を灯す存在として、そのリングの上では、プロレスの熱狂が地域の絆を強め、社会課題を解決するための新たな一歩が踏み出されています。

筆者は、この取り組みをもっと多くの人に知ってもらいたいと強く感じていて、いじめに苦しむ子どもたちや、岐阜の未来を不安に思う地域住民にとって、柳ケ瀬プロレスは「勇気」と「元気」を届ける存在であってほしいと願っています。

皆さんも、もし岐阜を訪れる機会があれば、ぜひ「M’s cafe」の特設リングに足を運んでみてください。そこには、リング上の熱戦だけでなく、地域と人々をつなぐ温かい物語があることに気づくでしょう。そして、その物語の中で、あなたもきっと何かを感じ、持ち帰ることができるでしょう。

「柳ケ瀬プロレス」所属のスター、マリ卍選手の入場!!
       なんと!? 男女での対戦試合があるとは驚き!!

 


<書き手>メディコス編集講座 第4期生 くまくら てつや

メディコス編集講座とは、岐阜市の魅力的な情報を集め・発信する担い手育成を目的として岐阜市が開催している講座であり、令和6年度の第4期までに83名が終了し、市民ライターとして活動しています。