心がほっこりすること間違いなし!優しいお顔の岐阜大仏さまに会いに来てみませんか? |ブログ|岐阜市シビックプライドプレイス

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心がほっこりすること間違いなし!優しいお顔の岐阜大仏さまに会いに来てみませんか?

心がほっこりすること間違いなし!優しいお顔の岐阜大仏さまに会いに来てみませんか?

奈良の大仏さま
鎌倉の大仏さま

大抵の人は日本の三大仏は?と聞かれたらこの二つはすぐに挙げられるのではないでしょうか?

すぐには挙げられない三つめの大仏さまはどこの大仏さまか?諸説はありますが、何と!岐阜にあるんです!

【江戸時代から岐阜を見守り続ける大仏さま】

ここで豆知識として大仏の定義を紹介します。
大仏とは丈六(じょうろく)仏のことです。

丈六とは4.8メートルであり像高が4.8メートル以上、座像ではその半分の2.4メートル以上の仏像を大仏と呼びます。
つまり一般住宅の2階以上の高さの仏像が大仏と言われるのです。

岐阜市の金華山の麓、正法寺(しょうぼうじ)には日本三大仏の一つ、像高13.7メートルの岐阜大仏さまがどっしりと鎮座しておられます。

天明7年(1787)第11代惟中(いちゅう)和尚が度重なる災害による被災者の追善を目的に建立を発願。

寛政6年(1794)に頭部のみが完成し、第12代肯宗(こうしゅう)和尚の時代の文政12年(1829)に完成を迎え、天保3年(1832)開眼供養が行われました。

周囲1.8メートルの大イチョウを真柱とし、内部は木材で骨格を組み、表層は竹材で編み粘土を塗った上にお経の書かれた紙を貼り、漆を重ね、金箔を貼って(おいて)造られた大仏さまは籠大仏とも呼ばれています。前面の木造阿弥陀如来坐像と共に岐阜県重要文化財に指定されています。

大仏殿内部に設置された大仏の構造を記した断面図。人間の身長と比べるとその大きさがよく分かる。

大仏さまの周りを五百羅漢像が取り囲み、回廊もあり珍しい造りとなっています。

銅で造られた奈良や鎌倉の大仏さまと比べて、軽やかな印象の岐阜の大仏さま。

微笑みを浮かべたそのお顔は、ほんの少しうつむいておられるため、正面から見上げると大仏さまと目が合い、ホッとするような和やかな気持ちになります。

右手の印が「OK」の形にも見えるので

「いいよ、いいよ大丈夫!」

と言われているようで悩みごとがある時、上手く行かない時に参拝し、背中を押していただいています。

 

実はこのうつむいたお顔、初めはうつむいていなかったそうです。

昨年参加した岐阜市主催の岐阜大仏講演会で下から見上げた時に目が合わないため、後から頭部の角度の変更が行われたと聞きました。

完成した頭部をスポッと外し、もう一度嵌め直すというちょっとホラーな光景を想像してしまいましたが、実際はどのような工程で作業が行われたのか大変気になるところです。

また、現在は立ち入ることが出来ない回廊ですが、昔は回廊から大仏さまを拝むことが出来たため、参拝者の中には自分の名前を記念に落書きした人もいたとか。当時の人々の参拝の様子が伝わるエピソードです。

私も奈良の大仏さまのイベントに参加した時、一般の参拝者が参拝する場所より一段上の段に登らせていただいたことがあります。下から仰ぎ見る大仏さまの迫力も凄いのに、さらに迫力ある大仏さまを違う角度から間近に見た時の感動は忘れられません。回廊から参拝することにより、上から横からと色々な角度から拝むことができた岐阜の大仏さまには、エンターティメント的な要素もあったのではないでしょうか?

大仏さまの左側。後方に見える回廊は大仏さまの正面を経て反対側まで続いている。写真には写っていないが回廊の下には五百羅漢像が並んでいる。

大仏さまの右側。頭の後ろ、肩の上あたりに真柱が見える。

【大仏さまに年賀状を出してみよう!】

毎年、井の口まちづくり会主催による大仏様への年賀状という企画が実施されています。
旧年への感謝と新しい年への希望を託した年賀状を送ると正法寺や岐阜駅に展示された後、大仏さまの胎内に納められます。

私は、内容にちょっとした工夫をして年賀状を出しています。
2020年から大流行した新型コロナウィルス感染症、その状況を盛り込んだ年賀状を出しているのです。

何故?

それは年賀状が大仏さまの胎内に納められるからです。

100年、200年と月日が流れ、今生きている人が誰も地球上に存在しなくなった頃、大仏さまの胎内から年賀状の束が発見される。文献では見聞きしていた過去の感染症の大流行、当時を生きた岐阜市民の一人が感染症をどう感じ日々を過ごしていたか……きっと未来の岐阜市民の誰かが私の想いを発見してくれるのではないでしょうか?

ぎふメディアコスモス1階に設置された投函箱。正法寺と岐阜駅のアクティブGにも設置されている。

年賀状は郵送または特設の投函箱に投函します。
ぎふメディアコスモスにも応募用のハガキと投函箱が設置されていますので、こちらを利用すれば郵便代もかかりません。

来年は、皆さまも大仏さまに年賀状を出されてみてはいかがでしょうか?

そして誰かから日本の三大仏について聞かれた時には「三つめは岐阜の正法寺の大仏さまだよ!」と声を大にして答えていただきたいなと思います。

ここで一句
わが心大仏さまはおみとおし

大仏さまの優しい微笑みに、美しい岐阜の町が、末永く守られて行くことを祈念しつつ筆をおくことにいたします。

明朝建築と和様が融合した大仏殿は岐阜市重要文化財に指定されている。

【アクセス】
黄檗宗 金鳳山 正法寺(岐阜大仏)               
岐阜市大仏町8番地            
岐阜バス 岐阜公園歴史博物館前バス停から徒歩3分


<書き手>メディコス編集講座 第4期生 林 千穂

メディコス編集講座とは、岐阜市の魅力的な情報を集め・発信する担い手育成を目的として岐阜市が開催している講座であり、令和6年度の第4期までに83名が終了し、市民ライターとして活動しています。