『県道が長良川を横断?!』岐阜市で唯一の渡し船 ~小紅(おべに)の渡し~ |ブログ|岐阜市シビックプライドプレイス

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『県道が長良川を横断?!』岐阜市で唯一の渡し船 ~小紅(おべに)の渡し~

『県道が長良川を横断?!』岐阜市で唯一の渡し船 ~小紅(おべに)の渡し~

名古屋から友人が遊びに来てくれるという。

4月上旬とはいえ、今年の桜は開花が早く、桜の季節は終わってしまった。鵜飼にはまだ早い。岐阜は初めてではないし、柳ヶ瀬も残念ながら髙島屋の閉店後では時間を持て余してしまう・・・
さて、どうしよう?困ったぞ・・・

「あっ!!」
あそこならインパクト大!心配なのはお天気だな・・・

 

そんな訳で行って来たのは鏡島(かがしま)弘法と対岸の一日市場(ひといちば)をつなぐ県道文殊茶屋新田線。
県道?ただの道に行って何が面白いのか?
いえいえ、心配ご無用!

JR岐阜駅から西鏡島行きに乗車し約20分、鏡島弘法前で下車し、まずは鏡島弘法に向かう。

子供の頃には毎月21日の弘法さまの命日に縁日が出て、近隣から多くの参拝者が集まっていた。西鏡島行きのバスもいつも以上に混んでいたものだが、最近は参拝者も少なくなっているようでバスもそんなに混み合っていないようだ。

因みにその頃、祖母に連れられて参拝した時に買ってもらった十字架のペンダントは今でも手元に残っている。「弘法さまで十字架?!」と突っ込みどころ満載なのだが、本当はキラキラした赤や黄色の石の付いた蝶のペンダントが欲しかったのだ。しかしながら、そのペンダントは「高いからダメ」と一蹴され、かなり駄々をこねたものの、最終的にお手軽価格の(と言ったら失礼なのだが)十字架をやっと買ってもらったのだ。

鏡島弘法前のバス停からの参道沿いには、現在は営業していないものの、飲酒を含むだろう飲食店や旅館のような建物が残り、昔の賑わいが偲ばれる。
調べてみたら江戸時代には、川下にあった「河渡の渡し」が中山道の表街道として、「小紅の渡し」は裏街道として栄えていたそうである。

 

現在、小紅の渡しは県道文殊茶屋新田線の一部となっており、れっきとした県道であり一般道路として位置付けられている。その為、通行料は無料であり、手間を考えると少々申し訳ない気持ちにもなる。

鏡島弘法(乙津寺)の裏手から長良川の堤防に上がり、船着き場を目指す。

対岸の一日市場側には小屋があるものの鏡島弘法側には小屋は無い。その為どこを目指して歩けばいいのか一見分からない。
しかしながら、よく見ると川原に草を踏み分けた道が出来ているので、その道を川に向かって歩いて行くと小さな箱があり「呼ベル」と書いてある。これを押してしばらく待つと対岸から船が迎えに来てくれるという仕組みである。

この道を川に向かって歩く 思ったより距離がある


呼ベルを押して、ワクワクしながら船を待つために川べりへ。

と、ここで事件発生!!

川原には菜の花が咲き、美しい長良川の清流が青く輝いている。水も澄んでいて川底の石がよく見える。「ホーホケキョ」と鶯の声も聞こえてくる。

「きれいだなぁ」と川を眺めながら歩いていたら、いきなりすっ転んでしまったのである。数日前に降った雨により、地面がぬかるんでいたらしい。そのまま尻もちをつき、川の方までズズズーッと斜面を1メートルほど滑ってしまったのだ。かろうじて川の手前で止まることが出来たものの油断大敵。川原は十分注意して歩いてほしい。

そんなトラブルもありつつ、「あれ?聞こえてるのかな?」「もう1回押してみる?」とちょっと心配になりながら待つこと数分。迎えに来てくれた船に乗り、約1分間の船旅に出発だ!

短い時間ながらも船上で感じる微かな風はとても気持ちがいい。岸から見るよりキラキラと輝く長良川に感動する。
川の中ほどまで来たら、上流の長良方面に目を向けてほしい。水上から眺める金華山と岐阜城がとても美しいからである。

上流の長良方面には金華山と岐阜城が見える

水上からの眺め キラキラと輝く水面が眩しい

この日の船頭さんは栗本さんという方であった。聞くと船舶免許を所持していたことから、週に2日、船頭として勤務して3年になるという。

ロープさばきも見事な栗本さん

「どこから来たの?」
「愛知県です。名古屋から。今日はこの為だけに岐阜まで来ました」
「私は岐阜市内から。でも渡し船に乗るのは初めてなんですよ」
「県外の人、たくさん来るよ。外国人はそんなに来ないけどね」
「雨の日も運航するんですか?」
「一応雨でも運航するよ。雨というより風だね。風速5メートルを超えると運休になる」
「それは大変ですね」
「元々船に乗っとったし、釣りにも行くしそれは気にならない。でもなぁ、階段はこの年になるとキツイんだわ」

そう話す栗本さんの視線の先には堤防から川原に降りる長い階段が伸びていた。確かにこの階段では、私たちの年代でも上り下りすれば息が上がってしまうことだろう。


「魚とかは何がいるんですか?」
「アユやコイはよくいるよ」
今回は見ることはできなかったが、長良川を泳ぐアユやコイもぜひ見てみたいものである。

約1分間のあっという間の船旅ではあったものの、大変思い出深いものとなった今回の船旅。私たちは鏡島弘法側からの乗船であったが、もちろん一日市場側からの乗船も可能である。

皆さまにもぜひ、水上から見る金華山と岐阜城を楽しんでいただきたいと思う。

 

【小紅の渡し】
アクセス
北岸:岐阜市一日市場  
   JR岐阜駅から岐阜バスO37山田病院・寺田ガーデン行き乗車 「一日市場」下車 徒歩約10分
南岸:岐阜市鏡島(鏡島弘法 乙津寺北)
   JR岐阜駅からG51西鏡島行き乗車 「鏡島弘法前」下車徒歩約10分

運行時間
4月~9月 8:00~17:00
10月~3月 8:00~16:30

休航日
毎週月曜日及び12/29~12/31
ただし月曜が祝日もしくは21日と重なる場合はその翌日が休航
悪天候、増水時は欠航

 


<書き手>メディコス編集講座 第4期生 林 千穂
メディコス編集講座とは、岐阜市の魅力的な情報を集め・発信する担い手育成を目的として岐阜市が開催している講座であり、令和7年度の第5期までに103名が終了し、市民ライターとして活動しています。