幼少の頃からもう何年?かなりの期間、柳ケ瀬にひたってます! 近々岐阜に遊びに来る予定の県外の友人に宛てた手紙形式で柳ケ瀬を紹介する「柳ケ瀬にひたろう」

Kちゃんへ
いかがお過ごしですか?
私は先日(3/1)「柳ケ瀬にひたろう」というまち歩き&ワークショップイベントに参加してきたよ。
Kちゃんが遊びに来る前に「岐阜といえば柳ケ瀬」ということで少し情報を伝えるから参考にしてね。
参加したワークショップは簡単に言うと
1 柳ケ瀬商店街の中を歩く
2 写真を撮影する
3 写真に文章を添える
4 その場所を選んだ理由、エピソードなどを発表する
5 大きな商店街の地図に場所を書き入れて全体を可視する
6 ZINE(上の写真)にまとめる
ちなみにZINEは個人やグループによって作られた簡易な冊子のこと。
これはワークショップで作成した地図。地図の周りに並べられたシートを印刷してZINEを作り1冊ずつ持ち帰り。写真もだけど、特に文章に各々の個性が出てるなぁ、と出来上がったZINEを見ています。
長期間、柳ケ瀬に行かなかった時期がない私だから
「久しぶりに柳ケ瀬に来たら〇〇だったー!」
という経験がないのね。
でも今回のワークショップにはたまにしか柳ケ瀬に来ない人、初めて(あるいは2~3回め)来た人、来るのは主に夜の飲み会の人、県外から参加の人などいろんな人がいて年齢も様々、男女比も半々。そうすると私とは目線が違うから、参加者さん達はどう感じるのかな?という点に興味津々。
私はまずお店の商品やディスプレイに目がいくけど、参加者さん達はアーケード、建物、道など同じ場所にいてもそれぞれ違った所に目を付けていて、商品に目を付ける人でも違う商品に目がいくから「あ、そんな視点もあるんだ」と参考になったよ。
例えばこのお店
このお店では季節に合わせたディスプレィを飾っているので、行くたびに「今日はどんな飾りかな?」と楽しみにしてるの。だから私は真っ先に春らしいお店のディスプレイに目がいったけど、他の参加者さんは故人の好きだった食べ物をお供えするためのお団子やお酒などをかたどった「好物キャンドル」という商品が印象に残ったみたい。お香やお線香などを扱っている神室町の「宮本」さん。前を通るといつも良い香り。入口の格子戸に和を感じるの。
栗入りぜんざいがおいしそう!と思ったこちらのお店ではロシアンケーキに心奪われた参加者さんも。栗入りぜんざいは濃姫まつりにあわせた期間限定品。通常品には栗は入っていないそう。夏場のあんみつや秋の甘栗もおすすめ。
店内に生け花が飾られた落ち着いた雰囲気の日の出町の和菓子屋「虎屋」さん。
「(個人商店は)気になってはいたものの入りづらくて見ているだけだったから今回のようなイベントや常連さんに連れていってもらうと入りやすい。買い物をする良いきっかけになった」との感想が参加者さんから出ていたよ。
この2枚がZINEで使った写真。
ここからは、ZINEでは使わなかった写真を紹介します。
ロイヤル劇場ビルでは展示されていた(2025年1月4日〜3月8日)アンティークなミシンに目がいったけど、他の参加者さんはビル内の電灯や看板、ビルの裏手のアクアージュ柳ケ瀬を流れる川に注目していたりと色々。
参加者のお母様が昔、問屋町で働いてみえたとのことで、そのお話しをお聞きしたりと盛り上がりました!
黒いボディに金の文字のミシンは工芸品のように美しくて惚れ惚れしちゃう。レトロな雰囲気のビルと展示がベストマッチ。日の出町の「ロイヤルビル」にて。
※アクアージュ柳ケ瀬:イタリアンイメージのパサージュ(路地)をイメージした通路
「柳ケ瀬グラッスル35」からの眺め。大きな窓越しにアーケードの屋根が見えるよ。上からアーケードを眺めることってなかなかないから新鮮。
※柳ケ瀬グラッスル35:2023年に竣工した徹明通に面する商業・住居の複合施設。
「徹明通一丁目」西から東に向かって微妙に上り坂になってるんだって。自転車通勤してた子が、遅刻するーってスピード上げた時に気づいたそう。改めてよく見てみたら うん、確かに微妙に上り坂!いつも何気に歩いていたから気付かなかった新しい発見。どうでもいいことなんだけどなんか話したくなる発見(笑)
私の柳ケ瀬愛の出発点はここ!人生最初の記憶がこの場所を親に手を引かれて歩いていた記憶。その時の自分の目線を再現して撮影しました。今はマンションが建っているけどその頃は両側にお店があって、アーケードもあったよ。キラキラ星の音楽が流れてたのも憶えてる。人生初の記憶が柳ケ瀬だから私の柳ケ瀬愛が強いのも納得でしょ!真ん中の建物は俳優の伊藤英明さんが番組内で岐阜のおみやげとして持参した栗粉餅で有名な「ベンテンドー」さん。お店の裏側からの写真で申し訳ないです。新栗の時期には開店前から行列ができる人気店。今は箱売りの栗粉餅だけど母が言うには、昔は一個数十円で販売されていたとか。
明治30年開業の老舗。明治時代からあるお店、凄いな!
聞くところによると二代目店主の中村浅吉さんが昭和37年に書き残した明治末期から大正期の賑わいを伝える「柳ケ瀬付近の展望」という史料があるとか。
『鉄』の字のつくりが『失』ではなく『矢』になっているのはお金を失わないようにってことなのでしょう。小判に俵に大福帳と見ていると福々しい気持ちになれる看板に手書きの障子紙の文字が温かみを感じるね。柳ケ瀬のバス停を利用するときは、ついつい看板を見上げてしまう神田町の「加木鉃」さん。
柳ケ瀬グラッスル向かいの「マルミカーテン」さん。レトロな建物と看板、ハクション大魔王の壺みたいなテントには懐かしさを感じるね。昨年、ここで友達とお揃いで可愛いネコ柄ののれんを買ったのだけど、誰かと一緒に買い物するのは一人で行くより思い出に残って良いと思ったよ。でも最近ずっと臨時休業の張り紙があるから気になっています。
金華橋通りの「旧髙島屋」前 薔薇の花は髙島屋にちなんで植えられていたのかな?看板やシャッターから髙島屋の文字が消されても薔薇は咲き続けているんだね。かつてここに髙島屋があったんだよって言っているよう。
※薔薇は髙島屋のシンボルで包装紙の柄にも使われている
【まとめ】
こうして見てみると柳ケ瀬には昭和レトロが一杯詰まっているんだなぁって改めて感じる。
子供の頃は柳ケ瀬に住むってことは柳ケ瀬で商売(お店)をしている人だけだった。だからアーケードの中にマンションが建つって聞いた時は「えええーっっっ!!」って思っちゃった。今はアーケードの中にマンションも建ち旧と新が共存しているって感じ。
最近、柳ケ瀬で不便だなぁって思うのがトイレ。今までいかに髙島屋に頼りきっていたかということなのだけれど、トイレ問題は改善されると嬉しいな。
参加者さんからは
「シャッターが下りている店舗が多いので、皆が集まりやすい場所がつくれないかなぁ」
「時間は短かったけど、柳ケ瀬の未来を大事に思う若い皆さんと出会えて嬉しかった」
これは案内してくれた『ひたひた編集室』のスタッフさんのことかな?
という感想が。
柳ケ瀬に詳しい私に色々教えてもらえて楽しかったという嬉しい感想もいただき、自分としては一人で喋りすぎたかなぁ?と少し反省していたのでそう思ってもらえたなら嬉しい!
髙島屋が閉店し長崎屋のビルの解体が始まった柳ケ瀬。今後どのように変化していくのか気になるところだけど、私は特定の年代に偏らず、あらゆる年代の人たちがそれぞれどこかに居場所がある楽しい街を目指してほしいな、と願っています。
私の大好きな柳ケ瀬について紹介したけどどうだったかな?
もちろんここでは紹介しきれなかった柳ケ瀬はまだまだ沢山あるからそれぞれの柳ケ瀬を見つけて楽しんでね!
最後は美しい夕焼けの写真で締めくくります。
以前の勤務先の窓から撮影した柳ケ瀬です。髙島屋の窓から灯りが見えるのが今となっては懐かしく、そして切ない・・・。
それでは・・・。
岐阜に来てくれるのを楽しみに待ってるね。
<書き手>メディコス編集講座 第4期生 飛鳥
メディコス編集講座とは、岐阜市の魅力的な情報を集め・発信する担い手育成を目的として岐阜市が開催している講座であり、令和6年度の第4期までに83名が終了し、市民ライターとして活動しています。