あれ? あそこに何かいる! 屋根キャラ「逆立ち狛犬」から始まる、心のままに岐阜散歩
屋根の上で、逆立ちをしてふんばる狛犬。
ひょうきんな表情に、飛び出たおみあしがとってもかわいいこの子。
「逆さ狛犬がいる!」
伊奈波神社から歩いてすぐ、大泉寺(だいせんじ)の屋根の上にいるのですが、出会ったことはありますか?
岐阜市民ならよく知る場所、でも意外と見たことがない方も多いのではないでしょうか。かくいう私も、先日初めて見つけて興奮しました。目線を上げるだけで、見慣れた景色が輝きだすとは! なじみ深い場所だっただけに、感動しました。
想いがのった、飾り瓦
「伊奈波神社を目指して散歩しよう」
「メディコス編集講座」のメンバーが提案してくれたある晴れた日のまち歩き。
「あ、なんかいる!」よく見ると逆立ちをした狛犬でした。
逆立ち狛犬をきっかけに、屋根を見上げながら歩くと、たいして歩いていないのに、どんどん見つかります。
それにしても屋根キャラ(「屋根の上にいるから屋根キャラだね!」誰言うとはなくそうなりました。)とも言うべきこの狛犬たちはみんな個性的。「なぜここまで手間暇を?」というぐらいの意匠に驚きます。
ちなみに後から調べたところ、屋根の上にいるのは狛犬とは言わず、「唐獅子の飾り瓦」と言うそうです。
「そんな瓦あったかな?」と思った方のために、私たちが見つけた伊奈波神社から徒歩5分圏内で出会える飾り瓦をいくつかご紹介しましょう。
こちらは、岐阜善光寺(ぜんこうじ)の玉のり唐獅子。
華やかな模様に明るい表情、しっぽもおだやかです。幼い命と向き合う、善光寺の想いのあらわれでしょうか。子どもと遊んでいるような、楽しい様子です。
逆立ったしっぽのこちらの唐獅子は、含政寺(がんしょうじ)にいます。
低い体勢から凛々しく睨む様子は、いつでも飛びかかれる臨戦態勢のよう。含政寺の建築当時、勢いのある時期だったからでしょうか。血気盛んな雰囲気です。
善光寺と含政寺の2体の唐獅子を比べただけでも、性格や様子が全然違います。
そして、極楽寺(ごくらくじ)にはまさかのお花が!
唐獅子を探していたので、不意打ちのお花の登場に私たちは大笑いしました。
調べると、牡丹は“百花の王”といわれ、その飾り瓦には幸福や富貴の願いが込められているとか。まわりを飾る瓦も、繊細な模様が施されています。優美な雰囲気は、着物や茶道体験ができる極楽寺にぴったりです。
もともと飾り瓦は邪気払いのため、鬼瓦をはじめ憤怒を表現していました。江戸時代に民家にも瓦が普及すると、「隣に向けるのは申し訳ない」と鬼は敬遠され、さまざまな願いが込められたバラエティ豊かなモチーフとしてつくられるようになりました。
ご近所の方への思いやりと、同じ屋根の下で暮らす家族への思いやり。2つの思いやりで個性化が進んだと思うとほっこりします。
お散歩での解放感、そして気づき
かわいい屋根キャラに興味がわいて始まった私たちのお散歩。
屋根を見上げるといつもと目線が変わり、景色が変わり、新しいものに出会えます。
今回私たちは、「太陽があたたかい」「あんなところに岐阜城が見える」「裏参道モールの看板を見つけた」など、屋根上の飾り瓦だけでなく、いろんなことに気づきました。
その一瞬の気づきが、日常をより面白くしてくれます。
それとともに、心ものびのびして、気持ちが満たされます。
指示されることなく心のままに歩くのは、「自分を大切にしている」と実感できる行為なのかもしれません。仕事をしたり、周りのひとを優先したり、スマホの指示に従ったり。心をなくしがちな大人にこそ大切な時間ではないでしょうか。
スマホをしまい、顔を思い切り上げて、自分の意思で歩く。そんなワクワクするお散歩で、自分を大切にする時間を、過ごしてみてはいかがでしょうか。
あなたの周りにもきっと、まだ出会っていない景色がひそんでいますよ。
※この記事は、「メディコス編集講座」第5期の講座の一環として受講生が制作しました。
b班執筆:川辺真紀子、久野春奈、庄司心優、田中肇、古川公子、渡辺永梨
メディコス編集講座とは、岐阜市の魅力的な情報を集め・発信する担い手育成を目的として岐阜市が開催している講座であり、令和7年度の第5期までに103名が修了し、市民ライターとして活動しています。



