東に富士山 西に出雲大社 南に伊勢神宮 北に白山 北緯35度24分東経136度43分に位置する 「縁(えにし)を結ぶしあわせ祈願の宮」 本莊神社とは |ブログ|岐阜市シビックプライドプレイス

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東に富士山 西に出雲大社 南に伊勢神宮 北に白山 北緯35度24分東経136度43分に位置する 「縁(えにし)を結ぶしあわせ祈願の宮」 本莊神社とは

東に富士山 西に出雲大社 南に伊勢神宮 北に白山 北緯35度24分東経136度43分に位置する 「縁(えにし)を結ぶしあわせ祈願の宮」 本莊神社とは

岐阜に居ながら四方の神々を一度に遥拝(ようはい)(※)できる、そんなありがたい神社が岐阜市にあることをご存じだろうか?
JR東海道線の西岐阜駅から徒歩約20分、岐阜市科学館や岐阜県美術館から程近い敷島町に鎮座する本莊神社である。

本莊神社は北緯35度24分、東経136度43分に位置する。まずはこの数字を覚えておいてほしい。

まず緯度に注目してみよう。本莊神社の西にある出雲大社本殿の緯度が北緯35度24分7秒。そして東の富士山の緯度もほぼ同じである。
次に経度だが、南の伊勢神宮(皇大神宮御正宮)が東経136度43分32秒であり、北の白山がほぼ同じ経度上に重なってくる。

つまり4つの聖地のほぼ中心に本莊神社があるので、東西南北に向かって参拝すれば、四方の神々、4つの聖地を一度に遥拝できるというわけである。

(※)遠く離れた場所から神仏を拝むこと

本莊神社ホームページより

このことに最初に気付いたいたのは、神社の崇敬者代表であり、近くで「いちだクリニック」を開業する市田正成院長。その後詳しく調べたところ本莊神社が4つの聖地の中心に位置することが判明し、役員や総代と相談の上、四方の神々を拝める「四合わせ(幸せ)祈願」の場所を作りPRしようとなった。
平成24年4月、遥拝所(四方拝所)の「しあわせ祈願の宮」が本殿と拝殿の間に建立された。

遥拝所は拝殿の裏に回るとある

本殿と拝殿の間に建立された遥拝所「しあわせ祈願の宮」

しあわせ祈願の宮は高さ約150センチの台の上に四方向に向けられた30センチの4つの鳥居を組み合わせた塔の形状である。

角度を変えて見ると4つの鳥居の形状がよく分かる

岐阜市は日本列島の真ん中辺りに位置することから東西南北、日帰りで行ける土地が多い。
北海道出身の知人が
「岐阜に引っ越して来たらいろんな所に電車で行けるし、日帰り出来るし、岐阜っていいよね。北海道だったら飛行機でしか行けない所ばかりだもん」
と言っていたことを思い出す。
確かにそうではあるが、だからと言って出雲大社や富士山はやはり遠い。
伊勢神宮なら近鉄電車で行ったとしても余裕で夜には帰って来ることが出来るが、近いとは言い難い距離だ。

ところで、4つの聖地の中心に本莊神社があるというのは偶然なのだろうか?
私が好きな歴史作家、関 裕二氏の著作の中にこんな一文がある。

~史学者や考古学者の研究ではなく、「マイクロシステムの置局設計と情報工学」を専門とする渋谷茂一が、各地の古墳、社寺、宮跡、山岳などの位置のデータをコンピューターに入力し、電算処理して、それぞれの聖地、聖点が、有機的に結びついてくるのではないかと調べてみたのだ。すると、古墳の位置も、「純幾何学的な位置決定原則に良く合致することを発見した」という(『巨大古墳の聖定』六興出版)。

古墳だけではない。神社や聖地の中には、遠い土地の聖地とつながっている例が多く、偶然とは思えない精度で、「意味づけ」がなされていたことが分かってきた。日本列島に広がった、不思議な聖点を結ぶ幾何学紋様が、いくつも見つかった。東西同緯度の聖地があったり、同距離上にいくつかの聖点がつながっていたり……。

古代人の測量技術は卓抜していて、現代の測量技術と遜色ないレベルに達していたことも分かってきた。

たとえば伊勢神宮は、奈良と大阪の境にそびえる葛城山の山頂と、同緯度だった。~   
新潮新書 アマテラスの正体 関 裕二より引用

岐阜県神社庁公式ホームページによると本莊神社の創建は
”創立月日は不詳なれど、第66代一条天皇の長徳年間の創祀と伝えられる。”
とあり、鎮座地は
”はじめ現鎮座地の東北約七町の地、俗称二連川に鎮座していたが、永禄年間の岐阜の乱の時、戦禍を避けて今の地に遷座した。”
とある。

長徳年間は995年から999年までの間、永禄年間は1558年から1570年までの間を指し、関氏の話は奈良時代以前の古代の話であるので、『もしや?』と思ったものの、やはりこの位置関係は偶然なのかもしれない。

しかしながら、それにしても……と思える位置関係である。本莊神社の公式ホームページでこの点(太陽の道・レイライン・昇龍道)について紹介されていることからも私としては決して偶然ではないと思っている。

~しあわせの庭と近隣住民から愛される本莊神社~

本莊神社には、本莊神社花壇委員会が管理する「しあわせの庭」が存在する。
神社手前の右側に位置し、四季折々の花が目を楽しませてくれる。手をかけて大切に植物を育てていることがよく分かる庭である。
散策したり、座って花を眺めたりと心癒される空間である。

芝桜が満開のしあわせの庭

また拝殿には、近くの岐南工業高校の美術部と書道部により奉納された巨大な絵馬がかけられており、地域と密着した関係を築いていることが感じられる。
四方拝の関係に最初に気が付いたのが近所のクリニックの院長先生であることからもそのことがよく分かる。

そんな心温まる「しあわせ祈願の宮 本莊神社」を訪れてぜひしあわせを祈願してみてほしい。

岐南工業高校の美術部と書道部により奉納された巨大なしあわせ祈願の絵馬

拝殿脇には「ご自由にお持ち下さい」と書かれたどんぐりやマツボックリが置かれている。これらは境内でとれた木の実とのこと

誰かが拝殿の前に供えたつくしに心が癒される

紫陽花で美しく飾られた手水

 

【アクセス】
本莊神社 
岐阜市敷島町9丁目24番地
JR東海道線西岐阜駅より徒歩20分
岐阜バス(県美術館経由市橋行き)科学館前バス停から徒歩5分
主祭神 素盞嗚尊(スサノオノミコト)

 


<書き手>メディコス編集講座 第4期生 林 千穂

メディコス編集講座とは、岐阜市の魅力的な情報を集め・発信する担い手育成を目的として岐阜市が開催している講座であり、令和7年度の第5期までに103名が終了し、市民ライターとして活動しています。