鵜飼文化の継承を支える二刀流 |珍ちんな人|シビックプライドプレイス

interview

No.7

鵜飼文化の継承を支える二刀流

神山 聡さん

船員・船大工

岐阜市で生まれ、高校時代にぎふ長良川の鵜飼観覧船で船員のアルバイトを経験し、卒業後は船の管理を受け持つ。一時離れたのち復帰し、15年前から船大工も担う。岐阜市鵜飼観覧船造船所で初めてとなる鵜舟の造船に携わり、今年(2021年)3月に完成。現在も船員と船大工を兼任する。

    1. 現在のあなたの活動について教えてください

今は鵜飼観覧船の船員と船大工をしています。船員を始めたのは高校生の時にアルバイトに来たことがきっかけで、当時は高校生30人くらいがアルバイトをしていました。高校を卒業してからも船の管理などをしていて、一時は他の仕事をしていたこともありますが、やっぱり鵜飼の世界が良くて戻ってきました。ずっと船員をしていて、船大工を始めたのは15年前のことです。実際に船員として乗っている船がどうやって造られるのか、どうやって板を曲げたりするのか興味があったのでやってみることに。船大工としては、主に鵜飼観覧船の造船と修繕を行ってきましたが、今年(2021年)は鵜舟の造船にも初めて挑戦しました。岐阜県内で2人しかいない鵜舟の舟大工から造船技術を教わりながら、約4か月かけて完成しました。鵜舟は鵜匠さんが鵜飼を行うための独特な舟で、乗客に鵜飼を見せるための観覧船とは全く異なります。観覧船は頑丈な船というのを前提に造りますが、鵜舟は漁をするので軽くて俊敏なことも重要です。だから、形はもちろん、船底の反り加減、板の大きさや厚さ、釘の太さや使う道具さえも違います。共通点は設計図がないことですね。設計図がないから技術を教わって身につけなければならない。1回造ったから次も造れるかと言ったらなかなか難しいと思います。

  1. これからの野望(目標)について教えてください

今後も船員であり船大工でありたい。鵜舟の造船にもまた挑戦できればと思っています。習得が難しい技術なので、今後も造船に関わりながらしっかりと身につけたいです。技術を途切れさせることなく自分たちが習得して、そして次の世代へ受け継いでいく。造船所の船大工も少ないので、若い世代を育てていくのも自分の役割かなと思います。

  1. あなたの考えるシビックプライドとは?

市の真ん中にきれいな川(長良川)が流れていること。ずっと鵜飼に携わってきて毎日川を見ていますが、見るたびに違います。日によっても、時間によっても、川の流れや色、景色が違う。そういうのを感じられることが魅力だと思います。鵜飼だけでなく、周りでも遊べるような環境になると、より多くの人に来てもらえて良いなと思います。

  1. コメント

見るたびに違う長良川。いつ来ても何度来ても、そのたびにきっと新しい発見があって楽しんでいただけると思います。みなさん、ぜひ長良川を、ぎふ長良川の鵜飼を見に来てください。

取材日 2021/7/16

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