第53夜おとなの夜学 躍進日本大博覧会から岐阜公園の未来まで |イベント|シビックプライドプレイス

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第53夜おとなの夜学 躍進日本大博覧会から岐阜公園の未来まで

2025年1月22日(水)19:00~20:30

民間主役の岐阜公園開発史

昭和11年、全国的な博覧会ブームの末期に『躍進日本大博覧会』が現在の岐阜公園を中心に開催されました。近代科学・岐阜観光の情報発信をするパビリオンが建設され、人々に夢を与えました。空襲で資料のほとんどは焼失していますが、野生化したリスがその名残として知られています。
岐阜公園開発のはじまりと、これから。市民にとって岐阜公園とはどんな場所なのか。都市形成史のスペシャリスト出村嘉史氏とダークファンタジーな世界を表現する作家、林リウイチ氏に語っていただきます。

 

ゲスト:林 リウイチさん(アーティスト)
   出村 嘉史さん(岐阜大学社会システム学環 教授)

おとなの夜学Webサイト

開催概要EVENT INFORMATION

第53夜おとなの夜学 躍進日本大博覧会から岐阜公園の未来まで

おとなの夜学第10期詳細
開催日時
2025年1月22日(水)19:00~20:30
場所
岐阜市立中央図書館 シビックプライドライブラリー
参加費
無料
定員
会場観覧:40名/Zoom観覧:500名
※先着順
申込方法
2024年12月22日(日)より受付開始。
おとなの夜学特設サイト:https://otonanoyagaku.net/または、中央図書館の窓口・電話にて受付
主催
岐阜市立図書館
その他
<参加資格> 中学生以上。お子様連れはご遠慮ください。
<オンライン視聴>Zoom観覧の受付は、おとなの夜学特設サイト限定です。
★ぎふメディアコスモス 、岐阜市立中央図書館の休館中は電話、窓口での受付はできません。おとなの夜学webサイトをご利用ください

掲載日:2024.12.17

レポートEVENT REPORT

知られざる岐阜公園の歴史を紐解く

 第10期3回目の夜学を令和7年1月22日に開催しました。金華山のお膝元にある岐阜公園は市民の憩いの場として親しまれていますが、この場所がたどってきた歴史についてみなさんはご存じでしょうか? 知られざる岐阜公園の物語を、林リウイチさん(アーティスト)と、出村嘉史さん(岐阜大学社会システム経営学環 教授)がそれぞれの視点から紐解いていきます。

 林さんは、古書店で「躍進日本大博覧会」のパンフレットを偶然見つけました。鵜をモチーフにした前衛的なデザインに戦前の日本の高い芸術性に驚き惹かれた林さんは、この博覧会のことをもっと知りたくなり、図書館などで昔の新聞記事を集め、記事のスクラップを時系列データベース化しました。
 この博覧会は昭和11年に近代科学と地域振興を図るために開催され、岐阜公園を含む長良川畔周辺を会場に大々的に開催されました。新聞記事からは、台湾館の目玉として輸入した台湾リスの脱走や、当時の岐阜市長・松尾国松が会場内で迷子になり放送で呼び出されたことなど、くすっと笑える風刺と愛嬌たっぷりの記事からは当時の風俗や大らかな気風などが立体的に伝わってきます。

 では舞台となった岐阜公園はどのように形成されていったのでしょうか。都市形成史のスペシャリスト・出村さんは、岐阜公園は当時のまちづくりの考え方を「鏡」のようによく映していると言います。
 日本では明治時代に入り、欧米都市が有していた「公園」という施設を明治政府が導入することを計画し、明治6 (1873)年に太政官(当時の最高官庁) から布達が出されました。岐阜県では明治6年に高山市の高山公園 (現・城山公園)、続いて明治15年に岐阜公園、大垣公園ができました。
 岐阜公園の開墾は、費用は周辺の町から用立てし、作業は土木技術を持つ岐阜県が出張し官民連携して作っていきました。民間が発注して県が開墾する。この図式は近代岐阜のまちづくりの特徴で、おとなの夜学第47夜「その時岐阜が動いた」にも町衆と行政の関係が登場しましたよね。(ぜひブックレット16号で)
 近代岐阜のまちづくりでは行政と町衆がタッグを組み官民懇親会を結成して、力を合わせて「岐阜」というまちを作っていったことが、地図や新聞記事、資料から読み解くことができると、出村さんは語ります。

 明治以降の岐阜のまちづくりについては話が尽きず、第2弾開催を心待ちにする夜となりました。

 おとなの夜学ホームページには、イベントの様子を記録した動画があります。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
おとなの夜Youtubeページ(別のページに移動します)

おとなの夜学第53夜会場写真

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